離婚時の不動産売却


離婚時に持ち家を売却されるケースで一番問題になるのが住宅ローンの残高以上で売却ができない時です。離婚をするということは家族の人数が減ることになりますので、今の住まいは広すぎるかもしれません、また夫婦の収入を考え購入しているので単独になったら住宅ローンの返済が厳しい、嫌な思い出があるから住みたくないと理由は様々ですが、持ち家の売却を希望される方は非常に多いです。私が不動産会社で営業をしていた時、お客様がよく勘違いされていたこと事例を説明させてもらいます。例えば住宅ローンが2,000万円残っていたとします。売却価格が1,900万円です。売却に関する諸費用が100万円掛かりました。その際、現金で200万円用意しなければ原則として不動産を売却することはできません。

なぜかと言いますと住宅ローンを組む際に金融機関は購入した物件に抵当権を設定しております。抵当権は債務(住宅ローン)を全額返済したときに初めて金融機関は抵当権の抹消に応じてくれます。たとえ残高が1万円であったとしても金融機関は抵当権を抹消する義務はありません。じゃあ手持ち資金がない人はどうすればいいんですかと質問を受けます。現実から言いますと住宅ローンを払い続けるしかありません。20代~30代で不動産を購入した場合、35年の元利均等方式で住宅ローンを組んでおります。このケースですとなかなか元金は減りません。元金の減りより、不動産の評価額の方が先に減っていくのが一般的です。2、3年経ってもたいして元金は減りません、それ以上に不動産価格が下がるでしょう。

よくネットなどでも任意売却を勧める広告等がありますが、任意売却とは上記のような住宅ローン残高より売却価格が低くても抵当権を金融機関が抹消してくれることです。しかし注意しなければならないのは、金融機関に任意売却をしたいと申し出でもほぼ不可能です。一般的には継続的に住宅ローンの支払いが滞っている等の事情が必要です。また抵当権が抹消されたからといって債務を免除してもらうわけではありません。残った債務は返済していかなければなりません。

任意売却は自己破産とは違うのです。破産ではありませんが、仮に任意売却を行ったら金融機関(保証会社)により違いはありますが、約7年ぐらいは住宅ローンを組むことはできないでしょう。任意売却はいいことばかりではありません、注意が必要です。任意売却を強く勧められたら、他の専門家等にも意見を聞くのも一つの方法だと思います。不動産業者だけでなく、不動産に強い士業に相談してみましょう。


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